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消費者金融やクレジット会社からの請求書などを無視し続けていると、ある日、突然、簡易裁判所の茶色い封筒に入った「支払督促」とかかれた書面が送付されることがあります。

この支払督促が来た時点で、借金の返済が不可能と判断し、債務整理を検討する方もいらっしゃいます。特に多いのは自己破産を検討される方です。

そこで、本ページでは、支払督促が来た後の自己破産手続について整理します。

なお、順序が逆のケースとして、自己破産後に支払督促の申し立てがされるケースも少なからずあります。このケースについては、支払督促と自己破産の順序が違うだけとはいえ、知っておくべき知識が全く異なってきます。

参照:破産法上の免責許可確定後の支払督促

支払い督促とは

まず、支払督促とは何か、という点を確認します。

支払督促というのは、金銭などの支払いを目的とする債権を簡易迅速に行うための手続きです。

支払い督促は、訴訟、裁判手続そのものではないのですが、債務者側において、この書類を放置して簡易裁判所に異議を出さずにいると、裁判で全面敗訴したのと同一の結果が生じる点に特徴があります.

一方で、支払督促に対して、期限内に異議を出せば、手続きは、訴訟手続へと移行します(なお、異議を出すチャンスは2回あります。)。

この支払督促の手続きについては、次のページで説明していますので、手続自体よくわからない、という方はそちらを参照してください。

参照:支払督促について

自己破産の申し立てにより異議後の訴訟が取り下げられる

zyuuyou-m支払督促が手元に届き、その後、自己破産手続をとることを選択した場合、その対応例の一つとしては、支払督促の手続に関して、とりあえず異議を出しておき、支払督促を通常裁判に移行させ、当該裁判手続中に自己破産の申立をしてしまうという対応が考えられます。

支払督促の手続が異議によって、通常訴訟に移行した後、当該裁判が終了するまでに破産開始決定を得られれば、破産者を当事者とする破産財団に関する訴訟手続は『中断』します(破産法第44条1項)。

こうなると、消費者金融などの債権者の債権は、結果的にほとんどのケースで免責の対象となるため、消費者金融等の立場からすれば、自己破産手続開始後において、その訴訟を継続しておく意味がありません。

そのため、自己破産開始決定がなされれば、この時点で、消費者金融などの債権者は通常訴訟を取り下げるのが一般的です。

したがって、支払督促が来た場合には、とりあえず、異議を出しておき、訴訟手続に移行している間に、自己破産を申し立てるという対応が薦められます。

なお、ちょっと想定しにくいですが、異議を出した上で、自己破産したが訴訟が取り下げられない場合の訴訟の推移については次のページを参照にしてください。

参照:金融機関等が起こした訴訟手続中に自己破産した場合の訴訟の推移

異議を出さないでいるのも一つの選択肢

支払督促に異議を出さないでいると、その支払い督促に記載された金額が確定しますが、その後の破産手続では支払督促を打たれた債権も免責の対象となります。

もちろん、請求債権が支払督促によって確定することにより、強制執行される危険性はでてきますが(債務整理と強制執行のページ参照)、債権者が給与などに対して強制執行をするまでには一定の時間がかかります。

その間に、自己破産の申立を行い、自己破産開始決定を受けられれば、破産者は支払いを免れることができますので、異議を出さず、急ぎ、自己破産の準備をするというのも一つの選択肢です。

なお、あとでもう一度触れますが、自己破産の申立ての準備が間に合わず、支払督促が確定し、現に強制執行などがされた場合でも、その後において、自己破産自体ができなくなるわけではありません。

この場合、一部、財産を債権者に持って行かれてしまいますが、これを理由に、免責自体が受けられなくなる、ということはありません。

異議を出す?出さない?

異議を出さない場合、自己破産申立を行うまでの時間との戦いになります。

スピーディに破産の申し立てができれば、強制執行によって給与が差し押さえられるなどの結果は回避可能ですが、確実性に劣りますので、あまり勧められません。

また、自己破産の申立には、相応の時間がかかりますので、異議を出さない場合、自己破産申立までのスケジュールがかなりシビアになるでしょう。

そこで、一般的には、上記に挙げた「異議」による対応を行い、破産のための準備期間を確保することが薦められます。

この点、時間稼ぎのための異議じゃないかとの意見がでるところではありますが、支払督促の手続きにおいて、「異議」を出すこと自体は債務者に与えられた手続的権利ですから、異議をだすことは何ら違法ではありません。

破産をするという方針が固まっているのであれば、異議を出しておくのが無難です。

放置してきた支払督促の取り扱い

tyuui-m最後になりますが、実際上のケースとして少なくないので、支払督促を放置してしまった場合について、説明しておきます。

最も重要なことは、支払督促を長期にわたって放置していたとしても、自己破産の申立てを行い、免責が受けられれば、債務者(破産者)はその支払督促によって請求された債権に関しても支払を免れられるという点です。

支払督促を放置してしまったが故に、免責を受けられなくなるのでは?と心配される方もいますが、放置それ自体は免責不許可事由には該当しませんし、通常は、裁量免責に否定的な影響をあたえるものでもありません。

そのため、支払督促を打たれてたんだけど自己破産できる?、あるいは免責受けられる?等と心配する必要はありません。

ただ、債権者は、支払督促が確定していることにより、いつでも強制執行可能な法的権利を有しており、早く自己破産等の債務整理手続を行わないと、給与や預金などが差し押さえられてしまうおそれがあるという点にはご留意ください。専門家へのいち早い相談がベターです。