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破産財団というのは、破産管財人の換価・処分(売却)等の対象となる財産です。

ある財産が破産財団に当たるとすれば、破産管財人は基本的にはその財産を売却などして、処分してしまいます。

どんな財産が破産財団になるのかという点については、破産財団って何(換価・処分の対象となる財産に関する一般論)のページで説明していますが、簡単に言えば破産手続開始決定時の財産が破産財団となります。

これに対して、本ページで解説するのが、破産開始決定より「後」に破産者が得た財産についてです。

この財産を「新得財産」といいます。

新得財産とは

上記のとおり、新得財産というのは、破産者が、「破産手続開始決定後に得た」財産のことを言います。

新得財産である財産は、自由財産と同じく、破産者が自由に使ってよい財産です。

どのような財産が新得財産となるのか

では、具体的にどのような財産が新得財産となるのか、考えてみます。

退職金

まず、一つ目に、退職金債権についてです。

退職金債権は、破産手続開始決定前から破産開始決定時までに破産者が働いていたことに対する対価としての性格を有しています。そのため、破産手続開始決定前までに働いていたことにより発生する退職金債権は、通常は破産財団に属すると理解されています。

これ対して、破産手続開始後に働いたことによって得られるはずの退職金部分は、破産手続開始後の労働に対する対価の部分ですので、新得財産となります。この部分まで破産財団に組み入れられる理由はありません。

給与・賞与

次に、給料と賞与についてです。

<破産手続開始決定後>
破産手続開始決定後に働いたことによって得られた給与・賞与は当然に新得財産です。自由に使って構いません。

<破産手続開始決定前>
破産手続開始決定前に働いており、たまたま、給与の支払い時期が破産手続開始決定後となった場合、この財産は破産財団を構成するのでしょうか、それとも新得財産となるのでしょうか。

たとえば、4月1日から働いていたことによって得られる賃金が、5月10日に振り込まれるとします。しかし、5月1日に破産申し立てが行われ、5月9日に破産開始決定があった。

こうした場合に、4月に働いていたことによる給与が破産手続開始決定前の労働に対する対価であることからすれば、この給与支払請求権は、形式的には、差押可能な範囲で、破産財団に属することになりそうです。

しかし、実際の実務上、この給与請求権を破産財団と評価して処理することはあまり行われていないような気がします。確証はありませんが、実際上、新得財産あるいは自由財産として処理されているのが一般的だと思います。

理屈上、絶対に新得財産か、と言われると、応えきれません。

ただ、特段破産管財人から何か言われない限り、給与は受け取って構いませんし、生活費などに充ててしまって構いません。

賞与についてはもう少し悩みがあるのですが、やはり給与と同じに考えてよいのではないかと思われます。

なお、先ほど、前置きなく自由財産という単語を使いましたが、自由財産というのは、破産手続開始決定時に存在した財産であったが、破産財団とならず、破産者の自由に使えるものをさします。

この点については、自由財産(現金99万円・差押禁止財産・拡張的自由財産)のページを参照にしてください。

破産財団から発生した債権

アパート賃貸をして生計を立てていたものが破産した場合、そのアパート賃貸が生活の収入源となっていたとしても、当該アパートは、自由財産の拡張の対象とならない限り、破産財団を構成します。

その結果、破産手続開始後に本来であれば得られたはずの家賃もまた破産財団となります。

形式上、破産手続開始決定後に発生した財産ですから、新得財産になると考えられるかもしれませんが、そうではありません。

その他

その他、考えなくても良い例ですが、理屈として述べておけば、破産手続開始後に宝くじを買って、宝くじが当たった場合、その当選によって得られた金銭は、新得財産です。

任意で払うのは別にしても、その一部を破産財団に組み入れることは義務ではありません。

また、嫌な例で申し訳ないのですが、破産手続開始決定後に、親等がなくなったため、相続によって財産を得たとします。この場合に相続によって得られた財産は、やはり新得財産です。破産財団に組み入れる必要はありません

以上のとおり、破産手続開始決定後の原因に基づいて財産を取得した場合、それは新得財産ですので、破産者が自由に使えるお金となります。