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長期の延滞や、債務整理を行うことにより事故情報(異動情報)が登録されてしまうのはやむをえません。

参照:借金のブラックリストとは?ブラックリストに載ることのデメリット

参照:支払いが遅れた場合(延滞した場合)の個人信用情報の取扱い

しかし、例外的に、誤って事故情報が登録されるケースも存在します。この場合、訂正を求める等、積極的な対応をしなければなりません。

誤った信用情報が登録されてしまう理由

信用情報への情報の登録は、各金融機関から、指定信用情報機関への情報の提供を通じて行われます。

そして、金融機関側が利用者の情報を登録する際には人間が介在しますので、ヒューマンエラーで誤情報が登録されてしまう場合もありえます。

また、金融機関側のシステムエラーで、誤情報が登録されてしまう場合もあります。

有名な話としては、ソフトバンクが携帯電話代金の入金に関し誤情報を大量登録した事件があります。

参照:日本経済新聞(ソフトバンク「未入金」と誤登録 個別に対応へ)

このように、信用情報が誤って登録されるという事態は、実際に発生しています。

誤った信用情報が登録されていた場合の対応

誤った信用情報が登録されていた場合、次のような対応をしなければなりません。

指定信用機を介して訂正等の申し入れを行う

zyuuyou誤った信用情報が登録されていた場合、指定信用情報機関を介して、信用情報の登録元となった金融機関に調査を依頼します。

指定信用機関から調査するようにとの指示を受けた金融機関が調査した結果、誤情報が確認できた場合には、当該金融機関が、指定信用情報機関に対し、情報の訂正を行います。

指定信用機関が直接事実を調査し、情報の訂正等を行うわけではない事には注意が必要です。

どこの信用情報機関も似たような手続きとなりますが、具体的な手続きがそれぞれ若干違います。詳細は、次の各ページを参考にしてください。

参照:JICC 調査確認依頼について

参照:全国銀行個人信用情報センター 苦情受付の手続き

参照:CICパンフレット(開示報告書のよくあるご質問等)
※Q9に調査依頼に関する説明が掲載されています。

ブラックリスト消します詐欺に注意

なお、削除・訂正が求められるのはあくまで「誤った情報」です。

登録内容が事実である場合に、その削除・訂正を求めることはできません。債務の完済や、債務整理等を行い、異動情報が消される期間を待つほかないのです。

参照:事故(異動)情報の掲載・登録期間は何年?いつ迄?信用情報登録期間

この点、ウェブ上では、「ブラックリスト情報を消す裏ワザ」などの情報が売買されたりしています。「手数料を払えばブラックリスト情報を消しますよ」などと謳ったサイトもあるようです。

これらは単なる詐欺ですので気を付けてください。

情報が誤っているにもかかわらず消してもらえない場合

情報が誤っているにも関わらず、金融機関側にて訂正・削除に応じてもらえない場合、その対応はかなり難しそうです。

理屈的な話となりますので、訳わからない方は読み飛ばしてください。

ぱっと思いついたのは次の構成です。

・個人情報保護法に基づく訂正・削除請求訴訟
・人格権に基づく訂正・削除請求訴訟(裁判例を見る限り、民法723条(類推)構成もありそうだけど・・・。)
・登録された事実の不存在確認訴訟

いずれも法的に難がありそうですが、①②はもちろん、③も、それが認められさえすれば、金融機関も情報を訂正・修正せざるをえないでしょう。

いわゆる自己破産後の「成約残し」についても、それが「誤情報」であると考えるのであれば、同じ構成で、金融機関と交渉なり訴訟なりすることになると思います。

ただ、この点は、調べても余り情報が出てきません。法律的な研究が進んでいる領域ではなさそうです。

誤情報が登録されたことに対する損害賠償請求

また、色々と調べてみると、面白い裁判例(平成2年7月23日大阪地方裁判所判決(確定))を見つけましたので、ご紹介します。

<事案>
クレジツト契約に付随して、信販会社が株式会社信用情報センター(現在のシーアイシー)に誤情報を提供したため、同センターに誤情報が登録され、その後のクレジツト契約の申込が誤情報により拒絶された事案

誤情報を登録された者(原告)が、信販会社と同センターに対して、損害賠償請求をした。

<審判会社の責任(裁判例要旨)>
信販会社は、信用情報センターに原告の信用情報を提供するに当たり、信義則上、前回のクレジット契約に付随して、正確を期し、誤った情報を提供するなどして原告の信用を損なわないように配慮すべき保護義務があり、この保護義務に違反すれば、債務不履行(不完全履行)責任を負う。

⇒審判会社の慰謝料等11万円の支払義務を肯定

<株式会社信用情報センターの責任(裁判例要旨)>
株式会社信用情報センターが審判会社から受けた誤情報に基づき、その情報を登録したとしても、(過失がないため)、損害賠償義務を負ういわれはない

<同裁判例評釈(参考)>
・法律のひろば44巻3号73~80頁
・法律時報63巻5号97~100頁
・判例評論389号(判例時報1382)171~178頁
・金融判例研究1号(旬刊金融法務事情1304)72~75頁
・消費者法判例百選(別冊ジュリスト200)232~233頁

<債務整理@スケッチのコメント>
この事案は、信用情報センターの責任は否定されたものの、過失による誤情報の登録に関し、金融機関の損害賠償義務が肯定された事案です。

この裁判例を参考に考えれば、誤情報の訂正等に応じてもらえない場合、直截的ではないものの、損害賠償請求が、金融期間に対する対抗策の一つとなりえます(或いはそれをチラつかせた交渉)。

さすがに裁判で損害賠償請求が認容され、確定した場合に、金融機関が誤情報を訂正しないまま維持することはありえないでしょう。