スポンサーリンク


いわゆるブラックリストに載った状態というのは、事故情報(異動情報)が信用情報機関に登録された状態を指します。

債務整理等でブラックリストに載ってしまうと、中には、その事実が会社ばれて、解雇等、不利益な取り扱いをされてしまうのでは?と考える方がいるかもしれません。

また、学生等は、ブラックリストに載ると就職が難しくなるのでは?と不安になってしまうかもしれません。

しかし、信用情報が会社にばれることはありませんし、ブラックリストに載ったことで就職が不利になることも基本的にありません。

信用情報を確認できるのは金融機関の与信審査のためだけ

まず、現に就労中の会社において、ブラックリストに載ったことを理由に不利益扱いをされてしまうか、という点について、

  • ①ブラックリストに載ったことが会社にばれるのか、
  • ②ブラックリストに載ったことを理由に不利益扱いをしていいのか、
  • という点を見ていきます。

    ①ブラックリストに載ったことが会社にばれるか

    ブラックリストが家族・子供・結婚に与える影響は?家族にばれる?のページでも述べましたが、信用情報を確認できるのは、金融機関のみです。

    また、金融機関が信用情報を確認できるのは、与信審査目的に限られます。

    したがって、一般の会社が、勝手に従業員の信用情報を確認することは不可能です。

    それゆえ、信用情報が会社にばれることはありません。

    給与の差押えなどを契機に、会社に借金がばれることはあるにしても、信用情報機関に登録されている情報に一般の会社がアクセスすることはできません。

    それゆえ、信用情報機関において事故情報(異動情報)が登録されたからといって、会社に不利益扱いされることはありません。

    ②労働基準法上、不利益扱いが許されるか

    また、労働基準法は、「使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない。」と定めています。

    ブラックリストに載っていることが、この規定にいう「社会的身分」に該当するか否かはともかくも、私生活上の私事を理由に不利益扱いをすることは労働基準法の趣旨・理念に違反します。

    単にブラックリストに載っているというだけで、合理的な理由なく、差別的取り扱いをすることは許されません。

    就職活動への影響

    次に、就職活動への影響の有無という点を見ていきます。ここでも、次の二つの面からみていきます。

  • ①就活中の会社が信用情報にアクセスできるか
  • ②採用判断に際して不利益扱いすることができるか
  • 就活中の会社が信用情報にアクセスできるか

    そもそも、就職中の会社は、信用情報にアクセスできません。

    上記に見たとおり、信用情報を利用できるのは、金融機関のみですから、一般の会社が、就職活動に来ている学生や、就職希望者の信用情報を確認することはできません。

    したがって、ブラックリストに載ったことは、就職活動に影響を与えません。

    また、本人に個人信用情報の開示手続を行わせ、その提出を求めるのは、労働基本権、プライバシー権の侵害というべきでしょう。

    そもそも本人に、信用情報を提示しろという会社・企業への就労は控えるべきとすら言えます。

    採用判断に際して不利益扱いすることができるか

    たとえば、ブラックリストに載る一つのケースとして、親の連帯保証人となったところ、親が返しきれず、破産するしかなかったというケースも想定されます。

    こうしたケースでブラックリストに載っていることを理由に不利益扱いされるのは明らかに不合理です。

    会社が信用情報を仮に取得したと仮定して考えてみても、ブラックリストに載っていることは、本来、労働能力とは無関係ですから、これを採用時に考慮するのは多事考慮というべきでしょう。

    そして、この取り扱いもやはり労働基本権・プライバシー権・人格権を侵害していると考えます。

    したがって、企業が採用判断に際して、本人がブラックリストに載っていることを理由に不利益扱いをすることは許されないと考えるべきです。

    金融機関だけは別に考えた方がよい

    ただし、信用情報へのアクセスの可否という観点からは、金融機関だけは一般の会社とは別に考えた方がよさそうです。

    本来、信用情報は、与信審査のためだけに行われるべきはずですが、金融機関が、従業員あるいは就職希望者の信用情報を確認している可能性は否定できません。

    ネットなんかをみても、金融機関に就職の際、信用情報へのアクセスに関し、同意を求められたなどという情報が挙がっています。

    与信審査にかこつけて、金融機関が信用情報機関に照会をかけている可能性がありますので、そうだとすれば、ブラックリストに載っている場合、事実上の影響は避けられないでしょう。

    ブラックリストに載っていることだけをもって不利益扱いすることはやはり許されないと考えますが、金融機関も不利益扱いするに際して、「ブラックリストに載っているから」という事情を明らかにするはずがありません。

    不利益扱いは、色々な事情にかこつけて行われるはずです。

    このように金融機関では、従業員・就職希望者の信用情報にアクセスしている可能性が高いですから、一般の会社と異なり、ブラックリストに載っていることが就労・就職に不利に働く可能性があると理解しておいたほうがよさそうです。