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債務整理を受任した弁護士や司法書士から、債権者に対して受任通知、介入通知を出すことで借金の取り立てが止まります。

この取り立ての停止により、債務者は精神的に安心し、経済的な再建の準備にとりかかることができます。

では、なぜ受任通知・介入通知を送付すると、債権者からの取り立てが止まるのでしょうか。

本ページでは、受任通知(介入通知)によって、債権者からの取り立てが止まる理由について解説します。

受任通知・介入通知とは

受任通知というのは、債務整理の依頼を受けた弁護士等が、債務整理の処理の委託を受けた旨を記載した書面です。

介入通知と呼ぶこともあります。

弁護士等が任意整理、自己破産・個人再生の委託を受けた場合、この受任通知を債権者に提出することが業務の第一歩となります。

参考:弁護士・司法書士の受任通知送付前に確認すべき3つの注意点

参考:受任通知の記載事項(受任通知で分かる弁護士の配慮・工夫)・記載例

取り立てストップの法的な根拠

貸金業法上の根拠

貸金業法21条は、債務者の平穏な生活などを保護するため、一定の累計の取り立て行為を禁止しています(違法・悪質な取立てに注意!貸金業法21条による取立行為規制の概要のページ参照)。

そして、同21条9号で禁止される取り立て行為の一つが、受任通知・介入通知受領後の取り立て行為です。

<貸金業法21条9号>
債務者等が、貸付けの契約に基づく債権に係る債務の処理を弁護士若しくは弁護士法人若しくは司法書士若しくは司法書士法人(以下この号において「弁護士等」という。)に委託し、又はその処理のため必要な裁判所における民事事件に関する手続をとり、弁護士等又は裁判所から書面によりその旨の通知があつた場合において、正当な理由がないのに、債務者等に対し、電話をかけ、電報を送達し、若しくはファクシミリ装置を用いて送信し、又は訪問する方法により、当該債務を弁済することを要求し、これに対し債務者等から直接要求しないよう求められたにもかかわらず、更にこれらの方法で当該債務を弁済することを要求すること。



この条文は、長々と記載されており、読みにくいところですが、債務整理委託の場面では、次のような意味と理解しておけば大丈夫です。。

[債務者が、債務の処理を弁護士等に委託し、弁護士等から書面によりその旨の通知があつた場合、債権者は正当な理由なく、債務者等に対し、電話、電報、FAX、訪問する方法により、弁済を要求をしてはならない。]

また、この規定に違反して取り立てをする行為は、貸金業法上、刑事処罰の対象となりますし(貸金業法47条の3の第1項3号)、行政処分の対象にもなります(同法24条の6の4第1項2号)

この貸金業法の規制により、貸金業の登録を受けた業者は、弁護士・司法書士からの受任通知が届いた際には、債務者に対し取り立てをやめるのが一般です。

サービサー法(債権管理回収業に関する特別措置法)上の根拠

また、サービサー法18条上は、債権回収の委託を受けたサービサーが受任通知受領後に債務者本人から取り立てる行為を禁止しています。

<貸金業法18条8号>
債権回収会社は、債務者等が特定金銭債権に係る債務の処理を弁護士又は弁護士法人に委託し、又はその処理のため必要な裁判所における民事事件に関する手続をとった場合において、その旨の通知があったときは、正当な理由がないのに、債務者等に対し、訪問し又は電話をかけて、当該債務を弁済することを要求してはならない。



そして、この規定に反する取り立てを行ったサービサーに対しては、サービサー業の許可の取り消しなどの不利益処分を科すことが可能な仕組みが取られており(同法24条3号)、同法の各規制の実効性が担保されています。

取り立てがやまなかった場合

<取り立てをやめない悪質業者がいないわけではない>
殆どの金融機関・消費者金融・クレジット会社等は、弁護士等から受任通知を受領すれば、債務者への取り立ては中止します。これを無視すると、罰則や登録抹消等の制裁が科されるおそれがあるからです。

これに対して、登録貸金業者を相手にしている限りあまり例はありませんが、中には、弁護士等の受任通知を受け取った後、取り立てをやめない悪質業者もいないわけではありません。

<直接取り立てに対する対応>
悪質業者が、受任通知受領後も取り立てをやめない場合には、すぐに弁護士に連絡をするとともに、警察対応も促すようにしてください。

また、電話や訪問などで、債権者と直接話さざるをえない状況になった場合には、弁護士にすべてお願いしているので、弁護士と話してほしいと伝えてください。

それ以外に、債務・返済に関する話をする必要はありません。

直接訪問された場合には、退去してほしい旨明確に伝え、それでも帰ってもらえなければ、警察を呼びましょう。

既に弁護士等に依頼しているのですから、毅然とした対応を取ることが望まれます。

<基本的に心配は無用>
なお、本記事において、取り立てがやまないことがあるのか、と心配させたかもしれませんが、一般的な消費者金融やクレジット会社を相手にしている限り、ほぼ100パーセント取り立ては止まります。

一般的な債務整理であれば、取り立てが止まないのでは?と心配する必要はありません。